トランスジェンダーの方へのレッスン

私は数年前まで性同一性障害という言葉を知ってはいましたが、詳しいことは知らず、又そのような知り合いもいなかったため、自分には遠い存在感で正直な所、あまり関心がありませんでした。

それが約3年ほど前に性同一性障害(トランスジェンダー)の方が初めて当方に訪ねて来られました。
色々な検査を受けて戸籍上ようやく女性に成れたらしいです。

ご本人がおっしゃるには、元々体は男性で脳は女性だという障害だそうで、当方を訪ねて来る2年程前にタイにいって性適合手術といわれる手術を受け、女性の体にされたらしいです。

女性の声を得るために声帯も手術されたらしいですが、男性の時の声とさほど変わらず女性らしい声を出せるようになりたいとのことでした。

こちらは発声の方法さえ知れば男性が女性の声に、女性が男性の声を出せるようになれることは過去のレッスン経験から可能なことを知っていましたので、早々にレッスンをお引き受けしました。

技術的には表声からファルセット(裏声発声)に移行し、徐々に声域を高くして行く方法ですが、声域のみならず朗読課題やメロディ課題を用いてのイメージトレーニングも行います。

結果、ご本人の努力が実り、見事マスターされ、女性の声を手に入れられました。

又、身体が女性で脳が男性と言われる方でやはり適合手術を受けた方も人伝に当方を訪ねて来られてレッスンに通われております。
ご希望は男性らしい低くて響く声が出せるようになりたいとのことでした。

実は女性が男性のような声を出せるようになる方が難しいのですが、以前から有名な某プロの歌劇団の方のレッスンを度々お引き受けしていました。
その某歌劇団は男性役と女性役に分かれています。

当時レッスンに初めて来られた方は男役の方ですが、皮肉にも元々の声域がソプラノで役柄、もっと低声が出せるようになる必然性を感じられ人伝に訪ねて来られました。

その方は役柄が男役なので当然脳も体も女性で手術もホルモン剤も投与されていないのですが、当方独自の低声カリキュラムで結果、5ヶ月ほどで低声をマスターされました。

その経験から、同一性障害の方に同じタイプのレッスンを施した所、半年以上の期間が掛かりはしましたが、見事に声の低さだけではなく声色もマスターされて電話で話しても女性と思われることがなくなり声のコンプレックスが解消されたとのことです。

多くの方が努力はしていますが、正しいトレーニング方法を知りません。
正しい方法を知れば誰でもマスター出来ます。

努力というほどの大そうなものではありません。

様々な声の世界があり、お悩みも多々お伺いしてきましたが、それぞれ方法さえ知ればゲーム感覚のように楽しんで出来るものだったのです。

追伸
それぞれのお悩みや要求に答えられるレッスンを提供できる教師のレッスンを受講することを強くお勧めします。

優秀な教師の条件は人柄などを含め色々とあると思いますが、絶対に外せない大きな一つポイントがあります。

それはその教師自身の声が正しく訓練された本物の声を持っているかどうかです。

そのポイントを押さえることが出来れば、体験レッスンだけでもその教師の能力の判断がつく筈ですが、それには声を判断できる耳を持つことが大切です。

色々な音や声を意識して耳を訓練しましょう。

正しく判断できる耳を持てれば、口先やハッタリに惑わされず良い教室、良い教師を選ぶ判断基準となるでしょう。

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